フラワーカレンダーから、残暑お見舞い申しあげます。
紙にちなむ思い出のひとつは、正月の書き初めです。私に寄り添ってすぐ後ろに座る母。私の手に母の大きな手が添えられ、筆の持ち方、力の入れよう、筆さばきなどを指導してくれました。その手のぬくもりが忘れられません。
七夕様を飾るときには、我が家では庭のあせび(馬酔木)の葉についた朝露をせっせと小瓶に集めて、それで墨を磨るのが慣わしでした。庭で集めた朝露で磨ると、美しい字が書けるようになるのよという母の言葉に、何の疑問も持たずに素直にしたがった私でした。あの頃のゆったりとした時の流れ、日常の豊かな情感が懐かしく思い出されます。
フラワーカレンダーも28年目を迎えました。今年は気候も異常でしたが、そのためでしょう庭の植物の様子も例年とは少し違いました。7月から8月にかけて、夏の花と秋の花が一緒に咲きだしたり、やたらと茎がのびたりしました。
首をかしげることの多かった夏でしたが、8月後半、いままでにないほど庭中に白い花々が咲きあふれて、私の大好きな「白い庭」になりました。嬉しくて作品に仕上げてみました(右下の写真)。
東京都下のあるところに、白い花ばかりを咲かせる庭を作りたいと思ったのは、もう40年ほど前のことでした。その庭は事情により夢で終わったのですが、今年嬉しいことにフラワーカレンダーの庭に実現したのです。
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この夏、店と住まいの庭をいろどってくれた花々を、いくつかご紹介しましょう。
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ヤマユリ | レンゲショウマ | |
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キキョウ | オニユリ | |
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ナデシコ | カクトラノオとノギク | |
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左ユウゼンギク、右カッコウアザミ | ユウスゲ | |
庭の花は、次々に新しい花が加わり、週替わりで主役が交代していますが、ここは標高1000メートルの庭。まもなく、植物たちが冬支度を始める庭になってくることでしょう。
9月いっぱいはギャラリー展示を続けます。どうぞ庭の花々にも会いにきてください。
お店の方は、少々クリスマスの雰囲気を加えてみたいと思っております。私の背丈の半分もなかった店の庭のモミの木も、みるみるうちに大きくなりました。今度のクリスマスのシーズンにはひと役かってもらおうかな、と考えているところです。
自然あふれる小淵沢。フラワーカレンダーは、八ヶ岳南麓の高原にあります。お出かけのほどお待ちいたしております。 |